

左から総務部 人事課 課長 若月 皓太郎様、常務取締役 降幡 隼一様、総務部部長 兼 広報室室長 風間 勇太様

食品メーカーとして長年事業を展開し、複数の製造拠点を抱える越後製菓株式会社では、若手人材の採用・定着を見据え、キャリアパスや評価基準が明確な、透明性の高い人事給与制度への見直しを進める必要がありました。
その背景には、少子高齢化に伴う労働人口の減少や働き方の変化を受け、従来の方法では人材の採用が難しくなっているという現状がありました。過去の採用実績や離職率、年齢構成を分析したことで、経験や勘に頼った人員計画では将来的な人員構成を維持できず、採用と人員計画のあり方を見直すべき状況が明らかになりました。その上で、どの層をどのように採用・育成していくべきかを、データに基づいて判断する必要性が高まっていたのです。
こうした見直しを進める中で課題として浮かび上がったのが、約20年使い続けてきたオンプレミス型の旧給与システムでした。旧給与システムは、従来の制度設計を前提に構築され、その都度カスタマイズを重ねてきたため、新たな制度設計や運用変更に柔軟に対応しづらい状態にありました。制度変更のたびに設定の調整や手作業での確認が必要となり、給与業務が特定の担当者に属人化する状態も続いていたといいます。
その結果、新しい人事給与制度をどう設計しても、「旧システムのままでは運用が破綻するのではないか」という現場の強い不安が、現実的な課題として立ちはだかったのです。
加えて、製造工場では勤怠情報を手入力で管理する運用が残っており、業務負荷の軽減に向けて勤怠管理システムの導入も検討していました。
こうした煩雑な作業の積み重ねが、人事・総務部門の負荷を大きくしていました。
人事・給与の仕組みを見直すにあたり、同社では複数の選択肢を検討しました。大手の統合型システムを導入して業務全体を一気に入れ替える方法や、業務全体を単一のサービスに集約する方法も候補に挙がっていましたが、業務への影響や運用リスクを踏まえると、慎重な判断が求められました。
『給与や勤怠など日々の運用に直結するシステムをすべて一気に切り替える「ビッグバン型」の刷新は、正直怖かったですね。すでに労務管理SaaSを導入して現場も慣れ始めていたため、それをやめてまた別の統合型システムに入れ替えるのは大きなリスクだと感じていました』
総務・人事担当者の間では、想定外のトラブルによって業務が止まってしまうことへの不安もありました。給与や勤怠、人事情報など、日々の運用に直結するシステムを一斉に切り替えることにはリスクがあり、「大手の全社統合型システムの導入が最適解とは言えなかった」といいます。
そこで同社が選択したのは、複雑な給与体系を標準機能で対応できる人事給与システムへの「刷新」と、すでに現場で定着している仕組みの「活用」を両立させる進め方でした。給与や勤怠など機能ごとに最適な仕組みを選んで連携させるべく、分散するデータを無理なくつなぎ、全体として整合性を保つための「ハブ」が必要だという結論に至ったのです。
さらに、多くの関係者が関わる人事業務を円滑に進めるうえでは、導入時に伴走してくれる担当者の存在も重要だと感じていました。

給与システムについては、パトスロゴスの人事給与SaaS「Combosite人事給与」へ刷新しました。
「Combosite人事給与」は、人事給与制度での給与計算にも対応でき、将来的な制度変更があっても設定の見直しによって柔軟に追従できる構造を備えています。追加開発や大きな作り直しに頼らず運用できる点は、長期的な安定運用の見通しにもつながっています。
また、標準機能の一つである「未来発令機能」の活用により、退職時の社会保険料控除停止などを事前に予約登録できるようになりました。これにより、作業漏れや徴収ミスの防止が期待でき、属人化の解消にも寄与しています。
さらに、業務フローに沿った、直感的に扱える設計であることもあり、業務の引き継ぎや分担が容易になりました。長年の課題であった、特定の担当者への依存から脱却する第一歩を踏み出しています。新制度を安定して運用するための基盤として、実務面・運用面の双方から支えられる形が整えられました。

「Combosite人事給与」や他の労務管理・勤怠SaaSと連携できる人事基盤として採用されたのが、HR共創プラットフォーム「PathosLogos」です。
同社ではまず、既存の運用を止めることなく、人事・給与・勤怠といった基礎データを正しく整備し、横断的に扱える状態をつくることが必要だと考えていました。これまで人手に依存していたデータの受け渡しを整理・安定化させて運用の属人化を解消し、まずは確固たるデータ基盤を整えることが、将来的な人材データの分析や活用につながると捉えていたのです。
同社が評価したのは、こうしたシステムとしての機能だけではありません。株式会社パトスロゴスが掲げる「共創型のアプローチ」という姿勢も、導入を後押しする大きな決め手となりました。単にシステムを納品して終わるのではなく、顧客の抱える課題に寄り添い、現場の状況を踏まえて無理のない運用フローを共に探っていく方針に共感したといいます。
その姿勢は、実際の導入プロジェクトにおけるサポート体制にも表れていました。導入担当者は週に複数回の打ち合わせを通じて設定内容を確認し、不明点にはその日のうちに迅速に回答。現場では、大きなストレスを感じることなく導入を進めることができたといいます。
また、システムだけでなく人事業務にも深い知見を有していたため、制度や給与業務への理解を踏まえた提案を受けられたことも、安心感につながったと振り返ります。
『給与の計算式などを一からすべて組み上げる必要があり、私たちも深い専門知識があったわけではないため、最初は非常に難航し、サポートチームにご迷惑をおかけすることもありました。しかし、パトスロゴスの担当者が週2回・各2時間の打ち合わせを設定し、二人三脚で伴走してくれたのです。わからないことをSlackで質問すればその日のうちに迅速な回答があり、給与締め直前のトラブルにもすぐに対応してもらえたのは、他のSaaSにはない手厚さだと感じました』
今回の取り組みを通じて、給与業務のブラックボックス化・属人化の解消が進み、長らく見直されていなかった人事給与制度の改定も実現しました。さらに、「PathosLogos」の導入によって、手入力や確認作業に多くの時間を要していた業務の整理が進み、工場を含む現場の負荷軽減や、業務全体の見通し向上にもつながっています。
同社では今後も、業務効率化や働きやすい環境づくりを目的とした人事DXを段階的に進めていく方針です。あわせて導入した「PathosLogos サーチ」を活用し、採用・育成・適材適所の配置を含め、どの層をどのように採用・育成していくべきかについて、データに基づく分析と判断を進めていく予定です。
全てを一気に変えるのではなく、今ある資産を活かしながら順序を踏んで整えていく。越後製菓の今回の取り組みは、制度改定期における現実的かつ着実な人事DXの成功モデルとして、今後のさらなるデータ活用フェーズへとつながっていきます。