1,800名規模・67店舗を支える人事DX。 入退社業務を効率化し、工数を半減した人事基盤改革

1,800名規模・67店舗を支える人事DX。 入退社業務を効率化し、工数を半減した人事基盤改革
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サービス
Combosite PathosLogos 共創SaaS
社名
俺の株式会社
業種
飲食・小売・サービス
従業員数
1,001人〜3,000人

最大100名/月の入退社が生む構造的な限界

「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」などのブランドで飲食事業を展開する俺の株式会社は、国内67店舗(2025年6月時点)を展開しています。社員・パート・アルバイトを合わせて約1,800名が在籍し、そのうち約1,500名がパート・アルバイトを占めています。

同社では、パート・アルバイトの比率が高いことから入退社の頻度も高く、多い月には約100名の対応が発生していました。こうした業務量に対し、人事体制は3名と限られており、日々の運用負荷は大きな課題になっていました。

当時は人事・労務・勤怠・給与の各システムが連携しておらず、入退社のたびに複数システムへの登録・修正が必要でした。また、店舗で記入された採用情報を画像やFAXで本社へ送付し、それを人事部門が確認・登録する運用だったため、確認・入力負荷が同部門に集中していました。

加えて、合併や運用変更に伴う設定変更時には、複数システムへ個別に内容を反映する必要がありました。設定の不整合により給与計算に誤りが生じ、差額支給が必要となるケースもあり、システムが分断された状態での運用に限界を感じていました。

特に痛手となったのが、変形労働制の廃止に伴う給与計算ロジックの変更でした。各システムが個別に存在する環境では、本番反映前に十分な検証ができず、設定変更がそのまま給与計算に反映されてしまったといいます。

「思っていたのと違う数字が出ていることに気づかず、全員に支払ってしまったんです。後で気づいて設定し直して再計算したら差額が出てしまい、差額分を支給することになって。すごい混乱を極めました。」このリカバリーには、本来の業務の何倍もの工数を要しました。

こうした状況を受け、同社は「システムがつながっていないこと」による業務負荷の限界を認識し、人事基盤の見直しに着手しました。

「刷新」ではなく「連携」──既存SaaSを活かす意思決定

見直しにあたって、まず検討の対象となったのが既存の給与システムでした。同システムはサーバー保守期限を迎えるタイミングでもあり、クラウド版への切り替えも検討しました。しかし、複数担当者での運用や他システムとの連携性を踏まえると、運用面でのメリットは限定的でした。

そのため、単なる給与システムのリプレイスではなく、人事・労務・勤怠・給与を含めた全体最適の観点で、システム構成そのものを見直す必要がありました。

また、SmartHRや店舗管理・シフト管理など、すでに業務に定着しているシステムを継続利用したいという意向もありました。そのため、すべてを一つのシステムに集約するのではなく、既存システムを活かしながら連携できる仕組みが求められていました。

こうした背景のもと選択されたのが、HR共創プラットフォーム「PathosLogos」です。既存システムを活かしたままデータ連携が可能である点に加え、将来的なシステム入れ替えにも柔軟に対応できる拡張性が評価されました。

「単体で『連携できますよ』というベンダーは複数ありました。ただ、共創プラットフォームを介してサービスを全部つなげますという提案は、なかなかなくて。多分パトスロゴスだけなんじゃないかな、と思いました」

さらに、既存のシフト管理システムを継続利用したいといった要望に対しても、連携方法の検討や開発を前向きに進められる点は大きな評価ポイントでした。個別の要望に対して柔軟に対応し、実務に即した仕組みをともに構築できる姿勢が、最終的な選定理由となりました。

もっとも、選定にあたって懸念がなかったわけではありません。当時(2024年)のパトスロゴスは導入実績が限られており社内には慎重な見方もありました。これに対し、同社には明確な判断軸がありました。「実績が全てではない、と考えていました。大手で老舗のシステムほど、こちらの要望は『仕様なのでできません』で終わってしまいがちです。新しいシステムは開発意欲があるので、要望に共感してもらえれば前向きに検討してくれる。これはお互いの成長にとっても良いことだと判断しました」

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俺の株式会社における、HR共創プラットフォーム「PathosLogos」を介したシステム連携イメージ


登録・変更工数は半減、将来的には3分の1へ。分断された人事業務を「つなぐ」ことで生まれた変化

「PathosLogos」の導入後、最も大きく変化したのは情報更新の流れです。従来は入社のたびに複数のシステムへ個別に登録していましたが、現在は一つの基点で管理した情報を各システムへ連携する形へ移行しています。その結果、人事情報の登録・変更にかかる作業工数は約半分まで削減されました。今後すべての連携が完了すれば、従来の3分の1程度まで圧縮できる見込みです。

給与業務においても、「Combosite人事給与」の導入により改善が見られました。従来は勤怠データをCSVで取り込み、加工したうえで反映していましたが、現在は連携処理により自動反映されるようになり、手作業が大幅に削減されています。修正箇所が一元化されたことで、「どこを修正すべきか」が明確になりました。複数のシステムを横断して確認・修正する必要がなくなり、業務の見通しも改善されています。

また、日割り計算や遡及処理など、給与業務で必要となる処理にも柔軟に対応できるようになりました。これらは導入当初、機能として存在していなかったものでもあります。

「例えば、『これは日割りができない』『これは遡って計算できない』という細かい機能の課題が、当初リリース時はいくつか発生していました。それを導入段階で導入コンサルタントの方に相談したら、『こう設定すれば実現できる』と一緒に考えてくれて、今は対応できるようになっています」

要件をすり合わせながら、仕組みそのものを共に育てていく。これが「共創」が建前で終わらない実装プロセスとして機能しています。

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効率化の先にある「人事の役割の再定義」とデータ活用

「PathosLogos」と「Combosite人事給与」の導入により、同社では人事業務の効率化と業務量の適正化が進んでいます。今後は、限られた人数でも無理なく業務を回し、所定の時間内で完結できる体制の構築を目指しています。業務量の適正化は、単なる効率化ではなく、人事部門の役割そのものに関わる問題だと同社は語ります。

「人事部門は、36協定の管理など労務環境を指導する側です。その自分たち自身が業務量過多で時間外労働だらけ、というのはそもそも良くないし、社員に対して『人のことを言えない』状態になってしまう。率先垂範のために、使えるツールはどんどん使っていきたいんです」

その上で、将来的には人事データの活用にも取り組んでいく方針です。現時点では分析まで十分に手が回っていないものの、今後は離職率の改善などに向けたデータ活用も見据えています。

多店舗・大人数の人事業務を少人数で支える同社にとって、業務を標準化し、データをつなぐことは、持続的な人事運用に向けた重要な一歩となっています。

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